広島市安佐動物公園では飼育動物の福祉と健康をより良くしていくため、中部地方から取り寄せたシカ肉をライオンに給餌する環境エンリッチメントに取り組んでいます。おおち山くじらや美郷バレー構想に取り組んでいる美郷町とその協定企業のタイガー株式会社(鳥獣対策機器製造メーカー・本社 大阪府吹田市)が、安佐動物公園に働きかけて今年4月から3者で中国地方のシカ肉の給餌を協議・検討してきました。

その結果、今年9月から動物園側の細菌等の検査などをクリアするなど衛生的かつ安全なシカの処理方法も確立され、ライオンの給餌後の観察経過も良好なことから美郷町で捕獲されたシカ肉の提供が10月から始まります。

中国地方の動物園での中国地方のシカ肉を使った給餌は初めてになります。これを契機に従来の動物公園側の環境エンリッチメントの効果による動物福祉の実現に加えてシカの利活用という中国地方の獣害問題の課題解決の一助となることが今後期待できます。

つきましては、広島市安佐動物公園のライオンの給餌の公開を下記の日程で開催いたします。

■日時:令和5年10月22日(日曜日) 13時00分~

(注)雨天の場合また動物の体調等に変化があった場合には屠体給餌が中止になります

■場所:広島市安佐北区安佐町動物公園 ライオン飼育展示場前(肉食動物ゾーン8)

■内容   
1)目的・経過説明
2)ライオン 給餌
3)質疑応答

様子



今回のシカ肉の給餌の目的とその実現によるメリットは以下のとおりです。

●安佐動物公園 側: 1) 輸送コスト・エネルギー排出の削減(=SDGs)
  2) 中国山地の二ホンジカを使うこと(地産地消)での環境エンリッチメント
  3) 獣害問題における対策の一助、野生動物の命を粗末にしない(共生・持続可能)
     
●美郷町 側 : 1) 産官学民の共創「美郷バレー」の新たな取り組み
(美郷町・タイガー(株)) 2) 美郷町の新たな魅力創出
  3) 新たな環境教育