※令和2年第3回定例議会一般質問での答弁を基に構成しています。
答弁の模様は、次からご覧いただけます。

美郷町議会公式YouTubeCH「令和2年第3回定例会一般質問(中原議員)」※外部リンク

町長メッセージ

アフターコロナの時代に向けて

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は、これまで長年蓄積してきた経験やノウハウ、確立してきた仕組みが通用しない、我々がかつて経験したことのない非常事態です。

地方行政においても、単に国や県の指導を仰いだり、ルールやマニュアルに沿って対応したりすればすむものではなく、お金があれば解決できるという性質のものでもありません。また、感染予防や感染者対策といった直接的な課題だけでなく、人権問題やストレスといった人々の心のあり方、人々が距離を置くことを前提とした社会のあり方といった難しい課題への対処が試されています。

そして、これらの足下の課題だけではなく、アフターコロナの時代に向けた取り組みが極めて重要です。

アフターコロナの時代には、世の中の価値観や行動様式が大きく変わることが予想されています。戦後長い間、“大規模” “集中” “効率的”である大都市にヒト・モノ・カネ・情報が集まり、大都市を中心に世の中が回り、その対極にある中山間過疎地域は疲弊の一途を辿ってきました。しかし、新型コロナによって大都市の「過密」のデメリットが顕在化し、これまでの大都市を中心とした価値観や行動様式が大きく転換し、その対極にある「過疎」という言葉に代表される地方に目が向けられる時代の流れが予想されます。

見方を変えれば、これまで人口減少や過疎に苦しんできた典型的な中山間過疎地域である美郷町にとっては大きな潮目、チャンスが到来します。そうした時代に向けてどのような布石を打ち、行動していくかが大きなテーマであると考えいます。

感染拡大防止など足下の課題に対応していくのはもちろんですが、身を縮めてコロナという嵐が過ぎ去るのを待っているだけでなく、今こそ、『カネはないけど知恵がある町』『何もないけど知恵がある町』を具現化していくときであると思います。

執行部はもちろん、議会、町民の皆さん、美郷町と関わりのある方々で知恵を出し合い、アフターコロナ時代における住民の暮らしの充実や中山間地域の課題解決につながる事業など、新しい時代に合致した取り組みを進めていく考えです。

町行政でのDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

世の中のあらゆる商品・サービス、活動を対象としてデジタル化を進め便利な世の中を実現していこうという「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進が広く叫ばれています。また、政府では、デジタル庁の設置の準備や自治体DX推進計画の策定などに特に力を入れて進めています。

「DX」は、国民や住民の生活に広範囲に影響を及ぼし、地域社会経済全般の発展、課題解決に大きく資することが考えられます。ウィズコロナ・アフターコロナ時代での「町行政のあり方」「重点の置き方」を考える際には、「DX」を踏まえた構想の構築が重要と考えます。

美郷町では、デジタル技術を活用し、既に「ICT教育、遠隔授業の環境整備」「避難所の強靭化」「空の駅構想」「小児科・産婦人科のオンライン無料相談」「電気自動車普及促進事業」「サテライトオフィス整備事業」、また、IP映像端末の設置に合わせた「町民カードの導入」「遠隔診療」「買い物支援サービス」といった事業を進めています。

町民、町にとって必要性の高い分野、これからの時代の生活の利便性向上や課題解決のために、デジタル技術の活用「DX」に、積極的に取り組んでいきたいと考えています。