○美郷町分収造林条例

平成16年10月1日

条例第155号

(目的)

第1条 美郷町(以下「町」という。)地域における人工造林を急速に拡大させることにより、国土を保全するとともに、森林資源の造成を図り、もって地元住民の福祉向上に寄与するものとする。

(事業推進の方針)

第2条 町は、島根県、島根県林業公社、農林漁業中央金庫及び邑智郡森林組合等と緊密な連携の下に事業の推進を図るものとする。

(分収造林の種類)

第3条 町で行う分収造林事業は、町が費用負担者として行う事業(以下「町行分収造林」という。)とする。

(事業)

第4条 町行分収造林事業は、第1条の目的を達成するため次の事業を行うものとする。

(1) 造林事業(新植及び保育)

(2) 山林等の調査

(3) その他目的達成に必要な事業

(事業借入金)

第5条 町は、事業を行うために必要な資金を、農林漁業金融公庫その他から借入れるものとする(以下「事業借入金」という。)

2 借入金の利率は、年10パーセント以内とする。

(事業借入金の返還)

第6条 事業借入金及び利子は、町において支払うものとする。

(分収造林契約)

第7条 町は、町行分収造林事業を行うため締結する造林契約は、分収林特別措置法(昭和33年法律第57号)第2条第1項に規定する造林費負担者及び造林者として土地所有者と締結する契約(以下「費用負担造林契約」という。)とする。

2 前項の契約を希望するものは、分収造林契約申込書を町長に提出する。

3 町長は、前項の申込みを受けたときは、造林地選定基準に従って契約を締結する。

(造林地の選定基準)

第8条 町は、次の基準に適合するものに限り、これを対象として事業を実施することができる。

(1) 無立木地、散生地等人工植栽の方法により、森林の造成を行う必要がある土地であって、1団地の見込み面積が1ヘクタール以上のものであること。

2 次のいずれにも該当しない土地であること。

(1) 入会慣行、地上権、抵当権その他複雑な権利関係の存在するため、契約の履行に当たり支障を生ずるおそれのあるもの

(2) 地位、地勢、気象等の自然的条件が悪く、成林の見込みがない土地

(3) 行政上の見地から、町以外のものが造林をすることを適当とする土地

(地上権の設定)

第9条 町は、契約を締結する場合は、その契約の存続期間中その土地に造林を目的とする地上権を設定するものとする。

(費用負担造林契約当事者の義務)

第10条 町は、次の義務を負うものとする。

(1) 造林に要する費用を負担するものとする。

(2) 新植後10年間は、町を受取人とする森林国営保険に加入し、その費用を負担すること。

(3) 契約に係る土地(以下「造林地」という。)又は当該契約に基づいて植栽された樹木(以下「造林木」という。)に関し第三者に損害賠償又は損失補償を請求する場合の当該請求に係る行為を行うこと。

(4) 売払代金をもって収益分収を行う場合における造林木の売払いを行うこと。

(5) 造林地に一定の樹木を植栽し、造林木の保育及び保護を行うこと。

(6) 造林地及び造林木の管理のため、次に掲げる事項を行うこと。

 火災予防及び消防

 盗伐、誤伐その他加害行為の予防並びに防止

 境界標その他標識の建設及び保管

 その他造林地及び造林木の管理に必要な事項

2 土地所有者は、次の義務を負うものとする。

(1) 前項第6号に掲げる事項に協力すること。

(2) 造林地に当該契約の存続期間とする地上権を設定する場合は、これに協力すること。

(3) 造林地に対する公租公課を負担すること。

(造林木の帰属)

第11条 造林木は、各契約当事者の共有とし、その持分の割合は収益分収の割合に等しいものとする。

(造林木以外の帰属)

第12条 契約締結の際に造林地上に存在する樹木であって、当該契約で定める期間内に収去されなかったもの(存置する者の契約を除く。)及び契約の締結後において造林地の上に天然に生じた樹木で造林木とともに生育させるものは、造林木とみなす。

(契約当事者の協議)

第13条 次の各号に掲げる事項については、各契約当事者全員の協議によって決定するものとする。

(1) 火災、天災その他の原因により当該契約の目的達成に支障が生じた場合の措置に関する事項

(2) 造林木についての第三者に対する損害賠償の請求に関する事項

(収益分収の割合)

第14条 収益分収の割合は、次のとおりとする。ただし、立地条件等により変更することがある。

(1) 町 100分の65

(2) 土地所有者 100分の35

(収益分収の方法)

第15条 収益分収は、造林木の売払代金から、その売払いに要した費用を控除した額について行う。ただし、収益が将来にわたって見込めないと認められるときは、造林木の売払いを行わず、分収しないことができる。

(契約当事者の変更)

第16条 各契約当事者は、他の契約当事者全員の同意を得て造林木の持分(土地所有者にあっては、当該持分及び造林地)の全部を第三者に譲渡し当該契約に係る権利義務のすべてを承継させることができる。

(造林木の持分等の処分等の禁止)

第17条 各契約当事者は、前条のほか、他の契約当事者の承認を得なければ、造林木の持分又は造林地を処分し、又はこれを担保に供してはならない。

2 中途で解約をする場合は、町と契約当事者とで協議し、決定する。

(土地の返還等)

第18条 地上権消滅の場合においては、原状に復することなく土地を返還するものとする。

2 前項の土地を返還する際に、当該土地に造林木及び造林木以外の樹木があるときの当該造林木及び造林木以外の樹木の所有権は、土地所有者に帰属するものとする。

(施行期日)

1 この条例は、平成16年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の邑智町分収造林条例(昭和53年邑智町条例第27号)又は大和村分収造林条例(昭和50年大和村条例第2号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(令和2年条例第28号)

この条例は、公布の日から施行する。

美郷町分収造林条例

平成16年10月1日 条例第155号

(令和2年12月25日施行)