町長の嘉戸です。日頃の町行政へのご理解とご協力に感謝申し上げます。

はじめに、新型コロナへの対応について、申し上げます。
政府の方針により、3月13日以降のマスク着用は、個人の判断に委ねることが基本とされました。一方で、高齢者など重症化リスクの高い方への感染を防ぐためマスクの着用が効果的な場面では、マスクの着用が推奨されています。
感染ピークを過ぎ、感染者数は減少傾向にありますが、まだ油断する事は出来ません。
美郷町は高齢化率が47%を超える町であり、引き続き出来るだけマスクの着用をお願いいたしますとともに、手洗いや換気などの基本的な感染対策の引き続きの徹底をお願いいたします。

さて、3月14日をもって3月定例議会が終了しました。この議会では、令和5年度の町政の基本方針である施政方針を申し上げ、この方針を踏まえた町長2期目の最初の年度予算となる令和5年度予算の審議、議決等が行われました。

令和5年度の取組みを進めるあたり、美郷町を取り巻く状況についての私の基本的な認識を申し上げます。

美郷町では、長年にわたり人口減少が進んでいます。令和2年国勢調査の5年前からの人口減少率11.1%、また、島根県が発表した「令和4年 島根の人口移動と推計人口」の前年からの人口減少率3.4%は、ともに県内最大となっています。
町の衰退に拍車がかかり、町の将来の存続が危ぶまれるほど危機的な状況にある、と認識しています。

人口減少に伴い、買い物や医療・福祉、移動手段、地域の担い手不足など町民の生活に密接に関連した様々な課題が顕在化し、しかも年々深刻になっています。
目の前のこうした課題に対処し、少しでも町民の生活の不便を和らげることは行政の使命であり全力で取り組んでいますが、より重要なのは、こうした課題の抜本的な解決を図ることであり、課題の背景にある人口減少に歯止めをかけ、是正していくことだと考えます。
離島という大きなハンデを抱えている海士町は県内で唯一、人口が増加しています。どんな不利な環境におかれた小さな町であっても、人口減少に歯止めをかけ、増やすことは不可能ではありません。
私は、最優先事項として、人口減少問題に真正面から取り組んでいきたいと思います。

こうした基本認識の下、令和5年度は、3つの重点分野に関連する施策を特に推進していきたい、と思います。

1つ目は、「安全・安心、健康・生命を守る・不便の少ない暮らしの実現」です。

新型コロナ対応としては、県等と連携して5類移行に伴う対応を進め、また、物価・燃料高騰対策では、新年度の小中学校への入学・進級準備として1学期の給食費相当分の支援や農家の肥料費の支援を進めています。電気代高騰に対しては、太陽光発電や蓄電池等の導入に対する全国トップクラスの町の補助制度を活用いただくことで、町民、事業者の皆さんの負担軽減を図っていきたい、と思います。

「災害に強い町づくり」では、港地区防災集団移転促進事業の事業主体が国から町に移り、宅地整備等を進めていきます。内水対策では、これまでに配備した18機の排水用ポンプの運用など、国、県と連携して対応強化に努めていきます。また、災害対応力の強化に向けて、デジタル版ハザードマップの美郷町ホームページ公開、古河電気工業株式会社と連携したワークショップ等を実施していきます。

「長寿県長寿町」の取組みでは、健診受診率の向上とともに、子どもから高齢者までの保健指導の強化を図り、また、交流を重視した新たな介護予防教室、認知症カフェも予定しています。