町民の皆様、あけましておめでとうございます。お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は、町政運営に温かいご理解とご協力を賜りありがとうございました。心より感謝申し上げます。

昨年も新型コロナの影響を大きく受けた1年となりましたが、年後半には、行動制限の緩和に加え社会経済活動やアフターコロナに向けた動きも活発になってきました。
しかしながら現在は感染拡大第8波に入っているといわれ、依然として感染に十分に注意する必要があります。
新型コロナの新規患者数の発表は、昨年9月25日までは「市町村ごと」に集計されていましたが、それ以降は「感染診断を行った医療機関の所在する市町村ごと」に集計する方法に変更されています。そのため、現在は正確に美郷町内で何人の新規患者が発生しているのかを把握することができません。
本格的な冬を迎えて体調を崩しやすく、またインフルエンザの流行も予想されています。年末年始に人の移動も大幅に増加していますので、引き続き感染予防の徹底と十分な体調管理をお願いいたします。
町では、感染不安のある方への「抗原検査キットの無料配布」や「自宅療養者・自宅待機者の支援」、また、「子育て世帯や福祉施設への物価高騰対策を含めた支援」など、様々な新型コロナ対策に引き続き取り組んでまいります。

また、度重なる豪雨災害対策といった町民の安全・安心、生命・財産を守ることにも最優先で取り組んでまいります。
全国初の事例となった港地区の防災集団移転事業は、国県との連携もスムーズに進み、これまでのところ順調に進捗しています。スケジュール通り移転を完了していただけるよう引き続きしっかり取り組んでいきます。
また、江の川の治水対策には過去最大規模の国家予算をつけていただいています。これから沿川の治水対策が加速していくよう努めてまいります。

一方で、町の将来のためには、様々な問題の根本原因となっている人口減少対策にも全力で取り組んでいかなければなりません。
令和4年10月1日現在の島根県の推計人口では、1年前と比べ美郷町は3.41%減少し県内最大の人口減少率となっています。出生数と死亡数の差である「自然増減」の大幅なマイナスが主要因ですが、人の出入りの差である「社会増減」もマイナスとなっています。
美郷町では長年にわたり人口減少が進み、人口減少を背景に発生した様々な問題が深刻化しています。これまで、こうした課題への対策に取り組んできました。
高齢者向けには、公共交通を補う移動手段の確保、家にいながら診察を受けられるオンライン診療の実用化などを推進しています。
商工業の衰退に対しては、現在計画している「粕渕中心地再開発」を通して、美郷町全体の商工業活性化・賑わい創出につなげていきたいと考えています。
また、農業の衰退に関しては、ファームサポート美郷の強化に加え、農林業の魅力化を図り担い手の発掘に力を入れ、振興を図っていく予定です。

もっとも、これらは人口減少に伴って発生している目の前の課題への対処であり、抜本的な解決のためには、様々な課題の根本原因である人口減少に真正面から取り組み、改善を図っていくことが必要です。
直接的な人口増加施策である「移住・定住」施策はもちろん、繰り返し町を訪れる「滞在人口」、町外に住みながら美郷町に関心を持ち町の活性化に寄与する「活動人口」など、様々な種類の人口を増やし、人の流れを創り出していくことが極めて重要です。