この度の新型コロナウイルス感染予防、拡大防止におきまして、小・中学校を臨時休業とし、児童クラブ利用も年生以下と限定したことで、町民の皆さんにはたくさんのご不便をおかけしておりますが、ご家庭や各地域のご理解、ご支援をいただきありがとうございます。マスクが不足している中で、手作りマスクに取り組んでおられるご家庭が増えていますし、事業所からのご寄付もありました。感謝申しあげます。

現時点では、美郷町内、また邑智郡内での感染者は出ておりませんが、国内・県内の状況を考えますと「ゼロ・リスク」になることはありません。これからゴールデンウイークに入りますが、不要不急の外出を控え、家庭内で楽しむ工夫をお願いします。

町民の皆さんへ人権を守るためのお願いがあります。

見えないウイルス感染の拡大は、我々人間に多くの不安や恐怖、偏見やうわさを生みつけました。「ソーシャルディスタンス」という考え方は以前からありました。現在のウイルス感染という危機的状況に中で必要なのは、「身体的ディスタンス」です。密にならない行動が大切です。しかし、「精神的なディスタンス」はその逆であります。「人の気持ちを大切にする」日本人の密なる思いやりの精神を今こそ発揮する時です。
心無い言動が飛び交っています。医療従事者の家族に対する差別や「あの人は感染しているかもしれない」といった偏見こそが、ウイルスが新たに生み出した害なのです。過度な思い込みや間違った判断は、人権侵害につながる言動を生み出します。情報は大切ですが、冷静な判断をしていただきたいと思います。子どもたちは大人を見ています。聞いています。まずは、大人が手本を示していただきたい。

小・中学生、高校生の皆さんへお願いがあります。

外で友だちと遊べない、学校にいけない、勉強ができない日々が続いています。大変申し訳なく思っています。おうちの中ばかりで、不安やいらいらした気持ちが大きくなっていませんか。あと少しのしんぼうと言いたいのですが、なかなかウイルス感染が止まりません。目に見えない敵と一緒に戦いましょう。
「敵はウイルスだけではありません。」このことは強く皆さんに言いたい。ウイルス感染にかかわるうその情報やうわさによって人を傷つける行為がたくさん起こっています。インターネットやSNSによって、多くの情報が速く伝わりますが、正しくない情報はあってはならない人権侵害やいじめにつながってしまいます。不安なことや悩みごとは、早く家族に人に伝えましょう。

「緊急事態宣言」よって、臨時休業は5月6日(水)までとなっておりますが、今後の感染拡大状況によっては延長も考えられます。変更となる場合には、配信メールや放送でお知らせします。
「知性と理性こそが最高のワクチン」と言われます。美郷町民の皆さん、どうぞ、正しい知識と「住みよいまちづくり」の意識を大切に、健康と安心を守っていきましょう。自らの行動が家族を大切にし、他人を大切にすることにつながります。
町民みんなの力でこの危機を乗り越えていきましょう。

令和2年4月27日
美郷町教育員会教育長 阿川俊治